【古民家再生】築150年の家

こんにちは。


住みにくい家を

陽射しと生活動線を大切にした設計で、

毎日快適な家へ

リノベーション・リフォーム・古民家再生・新築

ほそえ ゆりこです。


今回は、奈良県天理市の

築150年の古民家の玄関、リビング、

ダイニングキッチン、応接室、

離れのトイレと脱衣室と浴室の

リフォームをしました。

2004年(平成16年)竣工

この古民家は、

昭和40年代に一度改装されてますが、

それをとりはらい、

もとの姿を活かす改装です。

使い勝手が悪く、

水周りも傷んでいて、

折角の古民家なのに

新建材で囲われているのが嫌で、

取り払いたいというご要望でした。

※新建材とは、

 合板、ビニールクロスとかです。

地元材を使って、

床は桧フローリングを使い、

お施主様といっしょに

ワックスは菜種油で施し

壁は珪藻土を塗りました。

お施主様は、

このリフォームが終わって、

応接室とリビングの位置を入れ替えて、

使いやすくなった。

と喜んで頂きました。


【ダイニング・キッチン】

もともとの150年前に建てた大工さんの木組みの美しさが活かされました!

この梁の古色は塗ったのではなく、

おくどさん(かまど)の煙に燻されて

この色になっています。



古民家のリフォームでは、この梁とかの古色に全て色を合わせますが、

あえて色をつけませんでした。

木は経年変化で色が変わり飴色になっていく様を楽しんで頂きたいからです。



↓After

桧の床板で、上小節(小指の先程の節)は使ったことありますが、

ここまで節の無い床材は初めてでした。

建具(扉)もオーダーメードで、

私はお願いしていなかったのですが、大工さんが桧で発注されました。

桧は香りが抜群にいいです。

桧の建具は、通常高くて手が届かないのですが、

お施主様のお父様とのお付き合いもあったのか、

とても信じられないリーズナムルなお値段で作製されました。

この先は、右手にきれいなお庭があるのと、

奥行感を大切にしたかったので、

桧の建具(扉)には、透明ガラスを選んでいます。



↓Before


【応接間⇒リビング】


↓Before



↓After

隠れていた、立派な

ケヤキの8寸の大国柱。

(一番下の写真の右側あたり)



【リビング⇒応接間】


↓Before

背の高いお施主様、

気をぬくと上の写真の左側梁に

頭をぶつけてしまうのがお悩みでした。



↓After

頭が当たらないように

掃き出し窓側に通路をとりました。


お施主様と一緒に

お庭の情景を見て、

月見障子に。


※月見障子
 月を観るために上が開く障子。

  ⇔雪見障子
   雪を観るために下が開く障子


未だ、

仮のテーブルで椅子も無い頃の写真です。


【玄関】

↓Before


↓After


【現場こぼれ話1】

お施主様の古くからのおつきあいの大工さんが

水でじゃばじゃばと壁、天井の洗い作業を

しているところです。


床下は土で、水たまりができ、

大丈夫だろうか…と思っていたら、

水が吸い込まれるように

すぅー と地面に引いていく!


とても水はけの良い土地!!

これだから150年間、

家が傷まなかったんだ!

納得です。

床下の乾燥の大切さを教えてくれました。


【現場こぼれ話2】

昔のおくどさんがあった台所部分の壁は、

燻されて真っ黒です。

大工さんが洗ってくれても、とれません。

大工さん手配の左官屋さんが来て、

「こんな真っ黒な壁、ようしまへん!」

と怒って帰ってしまいました。

……どうしよう(汗)

今もおつきあいのある井上左官さんに

SOSをだして来てもらったら、

「どうにかしましょ。」

と言って下さり、この仕上がりです。

助かった~!



【現場こぼれ話3】

立派な松の梁。

昭和40年代の改装の際、

この壁を造る際の柱に

外国産材が使われたので、

それまで無かった

シロアリの被害にあわれたそうです。

よく見てもらうと、

ぽつぽつと丸い穴があります。

防蟻処理材を注入した痕です。


150年前は、国産材だけです。

さすが国産材!


【現場こぼれ話4】


お施主さまから着工前に

お電話あり、申し訳なさそうな声で、

「和式トイレから洋便器にかえるの、

  方向かえてほしいやけど…。」


?????


お施主様のお父様が図面を見て、

「なんで、太陽が昇る東側に

       おしりむけるんや!」

と言われたとのこと。

「そっちにはおしりむけたらあかん!」

説得しても、耳を向けてもらえません…。


……

苦肉の策 おしりは北に向けました…。

(写真奥が東の方向)

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